竜の学校は山の上 九井諒子

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九井諒子の竜の学校は山の上。

はじめて読む九井諒子。

表題作を含む9つの短編が収録されている作品で、それらに共通するモチーフは人と人でないものとの交流。それはたとえば、魔王退治から帰還した勇者と幼馴染の村人であったり、奥さんがケンタウロスだったり(人間とケンタウロスが共生している世界の話だったり)、同級生が天使(羽が生えている)だったりするファンタジーな世界。けれども、一見ふざけているようにも見えるそのファンタジーな交流が、翻って人間の心の機微や(異なるものとの共生という)問題などをあぶり出している。

こうした人間と人間以外のものとの交流というモチーフは市川春子の作品を想起させるけれども、市川春子の作風がより静かで幻想的なもの、またよりその交流というものに焦点を当てている(ように思われる、もっと言えば、人間と人間でないものとの境目、種差はどこにあるのかを知ろうとしている)のに対して、九井諒子のそれはもっとRPG的なファンタジー感のあるタッチで、あくまで設定的に用いられているように思われる。

個人的に出色だった短編は、帰郷、魔王(特に見開きで真相を暗示させている部分)、現代神話の3つ。