2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

東京ガールズブラボー 岡崎京子

岡崎京子の東京ガールズブラボー。くちびるから散弾銃の次に読む。 くちびるから散弾銃のサカエ、ナツミ、ミヤコの3人の高校時代のお話。あらすじ自体は単純で、80年代前半、東京に憧れる田舎娘サカエがひょんなことから上京し、憧れの東京を元気いっぱい(ち…

くちびるから散弾銃 岡崎京子

岡崎京子のくちびるから散弾銃。TAKE IT EASYの次に読む。 くちびるから散弾銃というタイトル、そして「おしゃべり-それは無責任の甘美な美徳」というエピグラフの通り、始めから終わりまで、ミヤコ、ナツミ、サカエの3人組かしまし娘(23歳独身)のおしゃべ…

万引き家族 是枝裕和

是枝裕和の万引き家族。 万引きを家計の足しにしている疑似家族の姿を描いた物語。 家族であるのではなく、家族になることを試みる人々(共同体)の姿を描いたものだと思った。彼らは血のつながりのある真正の家族ではないけれども、祖母、親子、夫婦、兄妹な…

TAKE IT EASY 岡崎京子

岡崎京子のTAKE IT EASY。End of the Worldの次に読む。 青春モノ。お気楽な浪人生の弥七が、実家のそば屋を継ぐ(決意をする)までの話。 1980年代後半という時代、空気感、その中を生きる(東京の)若者たちの姿が活写される。そこには、当然だけれど今とは違…

End of the World 岡崎京子

岡崎京子のEnd of the World。pinkの次に読む。 ・はじめに(2019.01.14.追記) 少なくない人が、岡崎京子のEnd of the Worldを検索してこの記事にアクセスしているようなので、各々の読者に対して軽いまえがきを。 まずこの作品を未読の人に対して。この記事…

pink 岡崎京子

岡崎京子のpink。リバーズ・エッジの次に読む。 軽やかなユミちゃんを巡る悲劇が描かれている。 ユミちゃんは、欲しいものはすぐに手に入れないと気がすまない。我慢や諦めなんて言葉は彼女の辞書に載っていない。ただのワガママ娘だと言ってしまえばそこま…

リバーズ・エッジ 岡崎京子

岡崎京子のリバーズ・エッジ。 衝撃的な作品。 すぐに感想は書けない。 記録として。

もものききかじり 今日マチ子

今日マチ子のもものききかじり。ぱらいその次に読む。 あとがきにある「まだ青春を生きているすべての人に幸あれ!」という言葉が、この作品の主題を端的に表していると思う。 主人公のももは26歳で、週に3日派遣で事務をしながら、残りの日は学生時代から続…

ぱらいそ 今日マチ子

今日マチ子のぱらいそ。COCOONの次に読む。本当はアノネ、を先に読むべきなのだけれど、入手できなかったので仕方がない。 戦争モノ。戦時下、教会の絵画教室ぱらいそに通う少女ユーカリには罪があった。窃盗。そして彼女はずっと食事をとらずにいる。初潮が…

COCOON 今日マチ子

今日マチ子の作品。センネン画報+10yearsの次に読む。 戦争モノ。看護隊として戦地に赴くことになった15、6歳の少女たちの姿が(そして少女から大人への移り変わりが)、蚕の繭(cocoon)のイメージに包まれて描かれる。 帯にある「繭(空想)がわたしを死(現実)…

プリンセスメゾン(1-5) 池辺葵

池辺葵の作品を初めて読む。主題、人物造形も魅力的だったけれど、何よりも間(科白の少なさ)に驚かされた。 主題は、ローンでのマンション購入を検討する(主に独身女性の)人間模様を描いたもので、個性的だけれど等身大でもある人々の生活の一面が垣間見れる…

月曜日の友達 阿部共実

「ちーちゃんはちょっと足りない」の次に読む。この2つの作品はとてもよく似ているけれど、違うところもあるように思った。 どちらの作品も地方の中学校が舞台になっていて、ちーちゃんとナツ、水谷と月野という主人公たちは周囲のクラスメイト(普通の人々)…