百人一首ノート 今日マチ子

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今日マチ子百人一首ノート。

タイトル通り、百人一首の一つひとつに今日マチ子がセンネン画報的な絵を描いた作品。

百人一首を通して読むのは初めてだったのだけれど、今日マチ子の絵があるおかげで親しみをもって読むことができる。

百人一首に詠まれている歌の多くは恋、特に逢瀬をめぐる恋心を詠っていて、それは今と違ってなかなか気軽に逢瀬できない当時のお貴族たちのことを思えば当然といえば当然なのだろうけれど、それにしても歌の多くは、今風のJ-popで言えば、会いたくて会いたくて震えるを地で行っているものばかりで、(その時々の風物に想いを託しているとは言え)俗的な意味で何度も笑ってしまう。しかも、この歌を書いているのがうら若き青年たちならまだしも、いい歳をした男の貴族さまが大真面目に、君のことで胸が一杯でどうにもならいよ、とか、君との逢瀬のあとのこの寂しさには耐えられないよ、早くまた逢瀬したい、みたいなことをオシャレに書いていて、どうしても読んでいて吹き出してしまう。1000年以上の昔から、上品で学のある男性たちはナヨナヨしていたのだと思うと、やはり人間そう簡単に変わるものでもないですな、などと思ってしまう。

今日マチ子の絵はセンネン画報の感じに近くて、その意味でセンネン画報が好きな人ならきっと気に入るだろう作品。